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1 水道事業のしくみ >> 水道事業のしくみ
 水道事業は、水道法に基づき、国(厚生労働省)の認可を受け、明石市が経営している公営企業です。事業の運営においては、基本的な法律として、この水道法と地方公営企業法が適用されます。以下、この二つの法律の内容に沿って、水道事業のしくみを説明します。

(1) 水道事業の目的
 水道法では、水道事業の目的を「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」としています。また、「水道」とは、「導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する総体」をいい、水道が有すべき施設として、「原水の質及び量、地理的条件、当該水道の形態に応じ、取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設の全部又は一部を有すべきもの」としています。明石の水道は、これらの施設をすべて有していますが、浄水施設がない事業体もあります。これは先ほど原水の質及び量とありましたが、水質が非常に良いとか、給水量の全量を購入しているという理由が考えられます。

 このように水道事業は、原水(地下水や河川水)を確保し、浄水施設の機能によって国が定めた水質基準に適合した、飲用に適する浄水に転換し、配水管等の配水施設によって日々絶え間なく供給することを目的としています。こういう大規模な施設を必要としている点で、水道事業は装置産業とも言われており、同じ公営企業である交通事業や病院事業と大きく異なるところです。しかしながら、施設は経年による老朽化ということを避ける事ができません。昭和30年代から40年代にかけての水道事業の拡張期に整備された施設の更新時期に掛かって来ていて、計画的な更新整備を実施しています。

 また、原水(水源)の確保は継続して水を供給していくうえで、事業の死活問題といえます。いかに立派な施設を備えていても肝心の原水が無ければ意味がありませんし、原水という自然物に頼らざるを得ないところが水道事業が背負っている条件といえます。渇水あるいは枯渇ということが事業の脅威となります。このような点で、明石の水道の歴史は水源確保の歴史といえます。経済の高度成長を背景に水需要の増大に対応するため、それまでの地下水源への全面依存から、昭和43年に河川水(明石川)利用を始め、昭和49年にその河川水を溜めておく野々池貯水池の完工を見、また昭和63年から兵庫県用水供給事業からの受水を開始しています。その地下水は近年塩水化が進行しているとともに、県水の受水費はその増量にともなって大きな財政負担となって来ています。このため今後の水源については、県水は増量せず、河川水の利用を高めていくこととしています。

(2) 水道事業の経営
 一方、もうひとつの法律である地方公営企業法ですが、経営の基本原則を「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」としています。この経済性と公共の福祉の増進という二つの要請を事業運営のなかでいかに満足していくかが非常に重要な課題であり、事業の選択と集中、及びその計画性が求められる所以です。明石市水道事業では、明石市水道事業経営戦略と明石市水道事業中期経営計画を策定、公表しています。今後も継続して計画の達成状況についてもお知らせしてまいります。

 次に、法では企業運営に要する経費は「当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てなければならない」とされています。これは税金によらず、水道料金等によって経費を賄う「独立採算制」を基本とするものです。ただし、「経費の負担の原則」ということで「その性格上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費」例えば、消火栓の設置及び維持に要する経費などは一般会計(市税)が負担することとなっています。

 この料金については、「公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない」としています。この料金についての考えは、上記の経営の基本原則や独立採算制を踏まえたものとなっています。

 また、(1)のところで、原水の質及び量、地理的条件ということが出ていましたが、豊富良質な水源のあるところとそうでないところ、水源が遠距離にあるかないか、給水区域が広大で人口が散在しているかどうか、事業所の集積度など、これらの要素は事業運営の経費を大きく左右します。このため家庭用料金の全国的な格差は約10倍となっています。

 また、(1)のところで装置産業としての施設の整備の必要性をみましたが、この整備には多額の資金を要します。国の補助制度のある施設整備の場合には補助金を期待できますが、それも一部です。企業内部で留保している資金(減価償却費など)では賄うことができず、長期の借入金(企業債 返済期間30年または28年)で資金手当をすることになります。この企業債は借金ですからその償還費用(元金と利息)は料金収入で賄っていくことになりますが、後年度の財政負担となりますので、資金事情を十分考慮した発行が必要です。一方、企業債にはこれを財源とする施設を長期間使用していくという点で、その償還費については将来の水道利用者にも負担していただくという長期的な観点からの公平性を求めて行くという積極的な側面もあります。そして、施設更新の場合には補助制度はありません。(1)でふれた事業拡張期の施設整備ではそのことによる新たな利用者からの料金収入が伴いましたが、普及率ほぼ100%の状況下、施設更新にはそれがありません。現在、本格的な施設更新期に入って来たところですが、今後この費用が大きな財政負担となってきますので、上記の投資計画を立てたところです。この施設更新は全国の水道事業体共通の問題となっています。

(3) まとめ
 以上二つの法律に沿って、いろいろと見てきましたが、要約しますと、水道事業は独立採算制の経営原則のもとで、水源の確保を図りながら、水質基準に適合した水を、良好な施設機能によって安定的に製造・供給するという「公共の福祉」を、「企業の経済性」を発揮しながら継続して実現していく事業ということになります。

 いままで説明して来ましたことは、少し歴史的なこと、現況に関することにも言及していますが、「水道事業のしくみ」ということで基本的なところを述べています。従いまして、より詳しくは以下の関連項目を、併せてご一読いただければと思います。

水道事業の現況については「明石の水道事業の特徴」や、「どのような経営努力をしていますか?」をあわせてご一読いただければと思います。

関連項目
水道局の組織と仕事
明石の水道事業の特徴
料金についての考え方
料金算定の手順
水道料金の使われ方
すいどうQ&A 経営編

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